日本の廃墟を旅して探索するゲーム!散策が楽しいFRAGILEさよなら月の廃墟

取扱説明書より

廃墟。それは美しく朽ちていく、人の想いのなれのはて。
廃墟を愛でてしまうのは、ほんのわずかな風や雨だけで、儚く散って行ってしまう桜を見るのと、同じ気持ちのような気がします。

床に落ちて粉々になってしまったガラス細工が、日の光を浴びてきらめくように。

小さな女の子がよろけながら吹いた、風に流される虹色のしゃぼん玉。

蛍の明滅。真夜中の空を横切る、一瞬の流れ星。学校の黒板のにおい。棚の中で埃をかぶるはじき。ビー玉。

 

それらは、いつか消えてしまうからこそ美しい。永遠なんてないのだと教えてくれるからこそ。そんなものを好きだというなんて、ほんと物好き。

 

 

そんな消えゆく廃墟が好きなあなたへ。

でも、現実世界の廃墟探索は怖くて出来ないというあなたへ。
とっておきの廃墟探索ゲーム、

FRAGILE(フラジール) ~さよなら月の廃墟~をご紹介いたします。

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目次です

世界が滅んだあとの、朽ちていく東京

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ゲーム画面より

オープニングムービーが、朽ち果てていくさまをえがいていて、ため息が出るほど美麗。

「FRAGILE~さよなら月の廃墟~」は、廃墟探索型RPGです。

一緒に暮らしていたおじいさんが亡くなって、世界にたった1人取り残されてしまった少年は、他に生き残った人がいないかを求めて、旅に出ます。

 

外の世界は、壊れた建物であふれ、崩れて、月の光が差し込んでいます。

 

 

音もなく、だれもいない。世界でたったひとり。

 

けれども、誰かが生きていた痕跡だけはあちらこちらに残されています。

壁の落書き、大事にされていた靴やクロシェット。

 

拾った物ひとつひとつから、物語が見られます。

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ゲーム画面より

世界にはほんとうに自分だけになってしまったのでしょうか。

誰かの足音を追いかけて、少年は遠くに見える「赤い塔」を目指します。

 

 

こんなに美しいゲームを、私は初めてみました。

 

もちろん、映像美として美しいものはたくさんあります。

 

でも、ここまで静かに、朽ちていく廃墟というものに焦点を当て、それを美として打ち出したものはなかなかないでしょう。しかも遠くに見える「赤い塔」は明らかに東京タワー。

 

東京にいったい何が起こってしまったのでしょうか。

滅びてしまった理由も、始めは知ることが出来ません。しかし物語が進むにつれて、落ちている「大切にされた道具」から人の記憶を得て、真実を知っていくことになります。
それもまたたまりません。

SF系のゲームというのは、どうしてこんな世界になったのか、だんだん明らかになっていくのがもう、ありとあらゆる物語を享受したいわたしにとっては最高です。これこそゲームの醍醐味!

しかしちょっぴりホラーです

このゲームが有名に至らなかった理由は確かにあるとわかります。残念ながら。

 

その中の1つが、戦闘と言われています。このゲーム、なんと幽霊がモンスターとして襲ってくるのです。

しかもけっこう怖い。↓こんなの

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ゲーム画面より

ゾンビとかの類じゃないので、いきなり出てきて驚かしたりはしないのですが、壁をすりぬけて現れたり、wiiリモコンから女の人の笑い声が聞こえてきたりとけっこうホラー。
このゲームは純粋に、廃墟を探索しながらアイテムから記憶を集めて、物語を読むように進めていく。

そんなゲームだったら、もっと知られるものになったかもしれませんね。わたしも、申し訳ないですがほんとにいらないシステムだったと思います。しかも、廃墟なので、アイテムが限られる&リアルに折れて使えなくなるのですね。

 

最初の方では、そのへんに落ちている棒を手に入れて、それを振り回して幽霊をやっつけます。

が、あまりに戦闘を挑み過ぎて、棒が折れて使い物になくなる・アイテムがなくなる、ということに直面して、先に進めなくなりましたorz

 

泣く泣く一度リセットして、始めからやるはめになりました。あれが超絶暇人大学生じゃなければ、その時点でもう投げていたかもしれません。

スーファミみたいにいきなりデータがふっとぶものを除いて、はじめからやるを選択したゲームはこれが初めてです!!

 

とはいえ、映像は素晴らしいので幽霊をぶった切ってでも先に進みましたけれど・・・・。

ちなみに、怖いと言っても、そんなに怖くないです。

 

1人暮らし当初は恐ろし過ぎて、テレビや電気を1日中点けっぱなしにしたり。

お風呂の鏡を見ないようにしたり、日が暮れる前にカーテンを隙間なく締めたりする、超絶びびりの私でさえも、真夜中に一人で徹夜して出来たくらいですから、そんなものです。

 

それより廃墟!!!

廃墟!!!

途中で作業ゲームになる

あともうひとつ、お断りしておかなければならないことがあります。

戦闘以上にどうしても許せなかったもの。

 

それが、作業ゲームになったことです!!!(怒
ゲームなのに、ゲームを楽しめないってどういうことですか!!!

具体的には、「あれを探してこいや」的なのが2ステージあったのですが、それがほんとにむかつきました。

 

これがゲームじゃなかったら、

てめえらで探してこいやふざけんなもうどうでもいい!!!的なことに確実になるレベル。

しかもモンスターが邪魔してくるし、いらっ☆度合いがマックスです。まあその2ステージ分だけなので、おさえておさえて。

 

 

それより廃墟!

廃墟!!!!!

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ゲーム画面より

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え?そんなにけなしてるけどほんとにおすすめしていいの?

そう思われるのも道理でしょう。

そして、ゲームをプレイし終わった直後のわたしであれば、確実におすすめしなかったでしょう。
しかし。

 

そのゲームをプレイして、からかれこれもう5年経ちました。
ですが、その時見た映像、世界観が、どうしても忘れられません。

線路や、人がいなくなって草が生えてきた家や街並みを見ると、フラッシュバックのようにこのゲームの記憶がよみがえるのです。

 

あれほど美しい廃墟を実際に見ることができたのならば、どんなに素敵でしょう。
もちろん世界にも日本にも滅んでもらっては困ります。たとえ滅んでしまったとしても、そんな世界で生き残るには、強靭な精神と肉体を持ってしなければ不可能ですし、誰もいなくなった世界に取り残されるのはいやです。

 

だからこそ見る事の叶わない世界を表現したものは貴重です。

それを本という文章のみではなく、映画という、リアル過ぎてちょっとしんどいものでもなく。

アニメという、一方的な物語でもなく。

ゲームという、日常と非日常の狭間のものでありながら、好きなところを見て回れる参加型の物語として体現してくれた「FRAGILE~さよなら月の廃墟~」は、ほんとうに素晴らしいものです。
たしかにゲームとしては欠陥品かもしれないけれど、それを補ってあまりあるほどのものを、人の心に残す。

そんなゲームです。
ちなみにわたしには、忘れられないゲームがたくさんありますが、それらは何度も何度も繰り返しプレイしました。

面白かったからこそ何度もやったわけですが、FRAGILEは、もう2度とやりたいとは思いません。しかし、1度しかプレイしていないにも関わらず、ここまで記憶に残すとは。恐れ入ります。

 

わたしの「神」の定義は、「終わった後に、取り残された感があるもの」。

その定義に、これほどまでに残るものも、そう多くはありません。

 

5年経ってもこんなに熱く語れることからして、お分かりいただけるかと思います。

欠陥があると分かって頂きながら、それでも1度はプレイしてみて頂けることを願います。

 

きっと、あなたの見たかった廃墟がそこに佇んでいます。

 

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この廃墟を旅するなら、こちらから

 

 

 

 

 

<その他、廃墟じゃないけれど、神だと思うゲーム記事>

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フリーゲームの伝説を作った洞窟アクションRPG。

何が出ようと、私としてはこれを超えるゲームはたぶん、ない

静かに、朽ちていくように、優しく生きるサウンドノベルゲームなら

 

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